戦士たち天使たち


 分岐あり。
 暴力描写あります。






 火花散る攻防は、悟飯の体力と集中力を容赦なく削り取っていく。そろそろ決めなければ。額に迫る拳を受け流し、悟飯は渾身の逆突きを繰り出した。急いたにしては隙を突いた形になった。決まる。そう確信した悟飯の体は、足を払われ地に転がった。洗い立ての胴衣が、小麦粉でもまぶされたかのようになってしまう。
「どうした、俺を捉えたとでも思ったか!ほら、いつまで寝ているつもりだ!そんな体勢ではいい的だぞ」
 地に伏せていた悟飯は、その言葉に一瞬にして奮起する。曲芸師も顔負けの跳躍をし、くるくると宙で回転した子供と少年の合間の体は、綺麗に地へと着地した。逆立っていた長い黒髪が、ふわりと背に落ち着く。
「・・・はい。もう一回、お願いします!」
「よし」
 ピッコロはあくまで真摯な顔つきで、悟飯に向き合う。人造人間がやってくるのは、二年後。悟飯が肉体的な成長を遂げるためには短すぎる時間だ。ピッコロはあくまで、現段階の力を鍛えてやることしか出来ない。
「いくぞ、」
「どこにも行けませんよ、ピッコロさん?」
 ピッコロが短い苦呻を上げる。悟飯は目を見張り、徐々に驚きを顕にする。
 突如出現したようにも見える第三者、青年の姿をした金の髪の生き物が、ピッコロの片腕を背後で捻り上げていた。
 
・・・

悟飯たくさんサイド (notR-18)

悟飯二人サイド (R-18)